子どもを育てるときに大切にしたいこと~カウンセリング利用のすすめ~

1.はじめに
みなさんは、「家族」という言葉からどのような図を想像されるでしょうか。お父さんがいて、お母さんがいて、子どもがいて、みんなで仲良くドライブ…。そんな家族像をまず想像される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際には家族は色んな形があります。一緒に住んでいる家族もいるし、離れて暮らす家族もあります。血縁関係がある家族もいるし、血縁のない家族もいます。そして、どの形の家族もそれぞれ大切な家族です。
そして、家族の中に、親(子どもを養育する人)と子ども、という関係性が含まれる家族もいます。親と子どもの関係は、いつもうまくいくか、というとそれはなかなか難しかったりします。親子関係が難しくなったときに、親なんだから、自分の子どものことを何とかしなくては、という責任感や、親だから子どもを何とかできるのではないか、という気持ちから、親が自分だけで無理矢理子どもを変化させしようとして、親子関係も夫婦関係も益々悪化する、ということも起こります。このコラムでは、子どもを育てるときに大切にしたいことについて、考えてみたいと思います。
2.親と子ども、子育ての大変さ
まず、「子ども」とはどういう存在でしょうか。「子ども」は「子供」と書かれていました。「供」という漢字には、供え物という意味があります。つまり、昔、子どもは親の所有物である、という考え方をされていました。しかし、現在日本は子どもの権利条約に批准しており、子どもを一人の人格として、意思を持つ存在として関わろうという動きが出てきています。
子どもに豊かな人生を送ってほしいというのは、多くの親、大人が共通して願っていることかもしれません。しかし、子どもに対して、家族に対して、自分がどのような役割をもって関わっていけばよいのか、悩んでいる方もいらっしゃると思います。自分が子どもの頃体験した親との関りが子どもを育てるにあたって取り入れたいモデルにならず、自分が受けていた関わりとは違う関わりを提供する必要があると考える方もいらっしゃると思います。そして、社会からの「こうあるべき」というプレッシャーも、親の子どもへの関わり方に影響を与えるものであると言われています。
個人を取り巻く状況は様々です。価値観も含め、環境変化のスピードの速い現代社会において、完璧な正解のないものである子どもとの関わりを模索していくのは、おもしろいことでもありますが、非常にエネルギーを使うし、大変なことでもあると思います。
3.子育て中の親にとって大切なこと ~ちゃんとした親、はどこにもいない~
いつの時代も、完璧な子育てはないし、完璧な親などどこにもいません。ところが、思いやりのある親ほど、絶えず不安や力不足を感じ、自分が「ちゃんとした親ではないのではないか」と心配していたりします。子どもを育てるときに、親として一番大切なことは、子どもといっしょにいるときに、注意と意識を子どもの気持ちに向けることです。
ダニエル・J・シーゲルは子育てについての目標を、子どもが4つのSを感じられること、と表現しています。(『生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て』19頁)
1つは、Safe(安全であること)。子どもが危険から守られ、保護されていると感じることができること。
2つ目は、Seen(見守られていること)。子どもが、自分が大切にされ、注意を向けられているとわかっていること。
3つ目は、Soothed(なだめられていること)。子どもが辛い時は、そばにいてもらえるとわかっていること。
4つ目は、Secure(安心していること)。他の3つのSから、子どもが親がいつも心地よく感じさせてくれると信じ、やがては自分を安全にし、見守り、なだめられるようになる。
人は生きていく中で、様々な体験をします。楽しい体験だけではなく、辛い体験や、苦難にも遭遇するでしょう。苦難を乗り越えていくことができる人として育っていくために、この4つのSを親(養育者)が提供できるとよいとダニエル・J・シーゲルは述べています。
4.カウンセリングでできること
この4つのSは、子育てをする中でとても大切です。しかし、これを実践していくために、親や、子どもに関わる大人たちもこの4つのSを実感できていることも同じように重要であると考えられます。親子関係がうまくいかない状態や、家族関係で困難を抱えている状態は、他の誰かに相談しにくい場合も多く、孤独になりやすい状態です。心理的に孤独な状態で4つのSを子どもに対して提供するのはとても大変なことです。
当センターのカウンセリングでは、一定のトレーニングを受けた、資格を有したカウンセラーがカウンセリングを提供します。安心できる、安全な空間の中で、日ごろ溜まっている気持ちを言葉にしたり、自分の感情について考えたりしていくことで、子どもの気持ちをどう理解し、どう関わったらいいかを考えていくことができます。カウンセリングの利用の仕方は、ストレスが溜まったときの単発利用、メンテナンスとしての継続利用、集中的な利用など、ご自分のニーズや状況に合わせて決めてもらうことができます。
5.おわりに
価値観が多様化し、様々な生き方が選択できる現代社会です。しかし、カウンセリングで出会う方々のお話を伺うと、価値観が多様化する一方で、家族や親はこうであるべき、というステレオタイプのようなものは依然として強くあると感じます。カウンセリングを通して、ご自身の価値観や、大切にしたいものを明確にし、子どもを育てる方自身も安心して自分を大切にできるようになることで、子どもに対しても4つのSを提供しやすい状態になっていく可能性があります。親子関係、家族関係で悩んでおられる方もぜひ当センターのカウンセリングを利用して頂けたらと思っています。
※参考文献:『生き抜く力をはぐくむ 愛着の子育て』著ダニエル・J・シーゲル ティナ・ペイン・ブランソン 訳桐谷知未 大和書房,2022年
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