子育て中の困りごとについて~子育ての大変さと子育てを気楽にするヒント~

1. はじめに
子育て中のみなさま、毎日お疲れさまです。子育ては楽しいですか?大変ですか?おそらく、楽しいけれど大変、大変だけれど楽しい…という複雑な感想を持たれる方が多いのではないでしょうか。
子どもはかわいいものです。子どもたちの笑顔やおどけた様子、頑張る姿を見ると、癒され、元気をもらいます。その一方で、子育ては楽しいことばかりではありません。むしろ大変なことの方が多いかもしれません。腹が立ったり、落ち込んだりすることもあるでしょう。最近では、周産期メンタルヘルス、すなわち、妊娠期間と出産を経て、その後も続いていく子育て期間中の心の健康が注目されています。子どもはかわいい、だけど子育てはつらい…安心してください、そう思うのは自分だけではありません。
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2. 子育ての大変さ
子育ての大変さはどこからくるのでしょうか?1つ1つ挙げようとするときりがなく、誰かに伝えるのも諦めてしまいそうになるほどです。‘大変’が重なりすぎて、自分でも何がそんなに大変なのか説明できなくなることもあるでしょう。
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2-1. 気がかりが絶えない
まずはなにより、子どもに関する気がかりが絶えません。泣いてばかり、離乳食を食べない、イヤイヤが激しい、急な病気やケガ、園や学校に行き渋る、友だちがいない・トラブルが多い、反抗的で言うことを聞かない、進路をどうするか、などなど。これらはほんの一例にすぎず、こうした気がかりは、子どもの成長や状況の変化に伴い、一難去ったらまた一難とばかりにずっと続いていきます。
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2-2. エネルギーと時間を要する
次に、子育てにはかなりのエネルギーと時間を取られます。そもそも体力が要りますし、子どもの気がかりに関してどうしたらいいのか悩んだり、わき起こる感情で心が苦しくなることは日常茶飯事です。自分の体と頭と心を駆使して、たくさんの時間を費やして…大変でないわけありません。
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2-3. 子育て以外にも色々ある
加えて、たいていの親は、仕事や家事、学校や地域の活動、親の介護、夫婦関係、友人関係、健康問題、お金の心配など、子育て以外の役割や気がかりも抱えています。親であるからには、そういった事柄と子育てを両立していくのは当然のことのように思われがちですが、「当然」=「大変ではない」ということにはなりません。
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2-4. 社会や自分にはびこる‘べき’や理想像
もうひとつ、親を苦しめる大きな要因の1つが、‘こうあるべき’のプレッシャーです。最近でこそ、各方面で多様性が尊重されるようになり、家族や夫婦の在り方もさまざまなものが認められ、受け入れられるようになってきました。そうは言っても、昔ながらの価値観や先入観は、多くの人々、あるいは自分自身の中にも根強く残っていて、母親/父親たるものこうであるべき…、母親/父親なんだから…という見方にプレッシャーを感じ、苦しめられる部分も少なくありません。
他にもたくさんあると思いますが、こうした要因が複雑に絡み合って、子育てを大変なものにしているのだと思います。
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3. 子育て中の親にとって大切なこと
それでは、少しでも子育てを気楽なもの、楽しいものにするには、どういった工夫が役に立つでしょうか。いくつか挙げてみます。
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3-1. 子育てに正解はない
この世に1人として同じ人間はおらず、色んな子ども、色んな親がいて、その組み合わせとなると無限です。それなのに、唯一の正しい子育て法などがあるはずありません。ある親子にとっては良い方法が、別の親子にとってはそうではない…といったことはざらにあります。結局は、自分や我が子に合う方法を、手探りしながらトライアンドエラーでやっていくしかないですし、それでいいのです。実のところ、そういう態度こそが正解なのかもしれません。
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3-2. ほどほどでいい
人には、好き・嫌いや得意・不得意をはじめとして、‘個性’があります。ですので、すべてにおいて完璧、オールマイティ、というのは幻想と言っても過言ではないでしょう。そうだとしたら、好きなこと・得意なことにおいて存分に力を発揮し、嫌いなこと・苦手なことは他の人に引き受けてもらったり、手伝ってもらったらいいのです。苦手なことでも自分で頑張りたいと思う場合や、自分で頑張るしかない場合にも、ハードルはできるだけ低く設定し、些細な努力や、わずかな成果をしっかり評価するようにしてください。
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3-3. いい時も悪い時もある
自然や天気と同じで、人のコンディションも、晴れの日もあれば曇りや雨の日もあります。時には地震や台風に見舞われることもあります。しかも、親と子、それぞれがそれぞれのタイミングで晴れたり曇ったりします。ある程度予測できると備えができる分気は楽ですが、予報が外れたり、予測不可能な場合も多々あります。ですので、“365日24時間、親子そろっていい感じ”ということはあり得ません。いい時はいい時なりに、悪い時は悪い時なりにやり過ごせたらいいのです。雨の日に、傘でしのげたらラッキー、ずぶ濡れになっても拭けばいいのです。
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3-4. 1人で頑張ろうとしない、サポーターを見つける
「子どもと2人きりだと息がつまるのに、何人かの親で何人かの子どもを見ていると、不思議なくらい楽なんです」「実家に帰ったとき、母が料理をして、父が子どもと遊び、私は一人ゆっくりお風呂に入る。大人の手が複数あればこんなにもゆとりをもって子育てを楽しめる。普段、いかに自分が多くのことを引き受けているかがわかりました」「毎日毎日怒ってばかりで落ち込んでいたら、『そりゃあ怒りもするよ』と言われてほっとしました」…これはいずれも子育て中の親御さんの言葉です。自分たちの子だから自分たちだけで育てていかないといけないと思い込みすぎると、それだけでつぶれかねません。自分の身内・友人でなくても、世の中には子育てを応援してくれる人はたくさんいます。使える制度やサービスもあります。役に立つものは大いに活用しながら、自分たちとその他大勢で育てていく、くらいの心持ちでいられたらいいのかもしれません。
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4. カウンセリングでできること
子育て中の苦悩を軽くする方法の1つにカウンセリングがあります。悩みやストレスを誰かに聴いてもらったり、大変さを分かち合ったりすることで、気持ちが楽になるという体験は、誰しもしたことがあるのではないでしょうか。家族、友人、園や学校の先生、地域の保健師など、身近に話せる人がいると心強いことでしょう。一方で、聴いてほしかっただけなのに相手の考えや意見を押しつけられた、わかったように決めつけられた、自分にとっては深刻なことなのに軽く扱われた、自分の方ができていないように思えて落ち込んだ、相手に負担をかけると思うと思いきり話せなかった、といったことも起こりえます。その点、カウンセリングでは、一定のトレーニングを受けた、資格を有したカウンセラーが対応するので、上記のようなリスクは小さくなります。一般的にカウンセリングでは、相談者がお困りのことと、それに対する希望や願いをお聞きし、それに沿う形でお話を聴いていきます。また、原則守秘義務があるので、例外的な場合をのぞきお話したことが外に漏れるということもありません。安全に、安心して、お話をしてもらうことができます。そうした条件の下、日ごろ溜まっている気持ちについて吐き出したり、自分の感情の取り扱いについて考えたり、子どものことをどう理解し、どう関わったらいいかを考えていくことができます。利用の仕方も、ストレスが溜まったときの単発利用、メンテナンスとしての継続利用、集中的な利用など、ご自分のニーズや状況に合わせて決めてもらうことができます。
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5. さいごに
子育ての大変さと、少しでも気楽に楽しむためのヒントについて述べました。親子の数だけ子育ての在りようも悩みも異なるので、ここでの話は自分たちにはピンと来ない…ということもあるかもしれません。ぜひ、自分たちに合ったヒントやサポーターを探してみてください。みなさまの子育てが少しでも楽しいものになることを願います。
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